2010年4月、筑波大学大学院、大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学、大阪市立大学医学部、奈良女子大学、愛知医科大学、日本の大規模コホート研究*グループの研究者らは、日本人の食事性マグネシウム(Mg)摂取は糖尿病のリスク低減と関係していると米国の栄養学専門誌Journal of The American College of Nutrition (アメリカ栄養学会誌)に発表されたのでお知らせします。
* コホート研究は、疫学分析における研究手法の1つで、ある要因に曝露した集団と曝露していない集団を追跡調査して、研究対象疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生との関連を調べる方法です。要因対照研究(factor-control study)と同義です。コホート研究は集団を前向きに調査追跡しているので、曝露から疾病の発生までの過程を見れる特徴があります。
以下にこの論文の概要をご紹介致します。
- 目的:
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食事性マグネシウム摂取量は欧米人では2型糖尿病リスク低減と関係していますが、アジア人に於けるエビデンスは限られています。
- 方法:
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5年間追跡した調査票を用いて、ベースライン調査時点で糖尿病および他の慢性疾患の病歴を持たない40~65歳のコホート1万7592人 (男性6480人と女性1万1112人) を対象に、食事性マグネシウム摂取と糖尿病発症リスクとの関係を評価しました。
食事性マグネシウム摂取量はアンケート調査により計算し、糖尿病の発症率は医師診断の自己報告により定義しました。
食事性マグネシウムと糖尿病発症率の関係はロジスティック回帰モデルで評価しました。
- 結果:
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5年間の追跡調査で459例(男性237例と女性222例)の糖尿病の新規発症を認めました。
食事性マグネシウム摂取量は年齢とBMI調整後、男女とも糖尿病発症率と逆相関していました。心血管リスクファクター調整後の多変量解析において、関係は男女両方で弱かったが、全参加者の関係は統計学的に有意でした。
マグネシウムの摂取量で最低四分位に関する糖尿病のオッズ比は、第2四分位で0.83 (95% CI 0.69~1.09)、第3四分位で0.79 (95% CI 0.59~1.07)、最高四分位で0.64 (95% CI 0.44~0.94、p = 0.04)でした。
また、5年間の追跡調査結果で、男女全体のMg最高摂取群(1日当り約303 mg)と最低摂取群(1日当り約158 mg)では糖尿病発症率が心血管リスクファクター調整後の多変量解析で 36%、年齢とBMI調整後で43%低減することが分かります。
- 結論:
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食事性マグネシウム摂取量は日本人の2型糖尿病発症リスク減少と明らかな関係を認めました。
参考資料:
Kirii K, Iso H, Date C, Fukui M, Tamakoshi A; JACC Study Group. Magnesium intake and risk of self-reported type 2 diabetes among Japanese. J Am Coll Nutr. 2010 Apr;29(2):99-106.
http://www.jacn.org/cgi/content/abstract/29/2/99








